|2013.05.06/萬葉植物園|砂ずりに藤|2010.11.28/秋の春日大社|2008.10.13/鹿の角きり| |
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古都の秋を彩る勇壮な伝統行事「鹿の角きり」
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はちまきに、はっぴ姿の勢子たちが、角鹿を3頭を角きり場に追い込み、「十字」(割竹を組み、縄を巻き付けた捕獲具)や、「だんぴ」(竹を輪に組み、縄を編んだ捕獲具)などを使って、荒々しく走りまわる鹿の角に縄をかけ、これをたぐりよせ、あばれる鹿を捕りおさえます。烏帽子、直垂姿の神官が、鹿の気を静めるため水を含ませ、のこぎりで角を切り、神前に供えます。 このようにして次々に鹿は捕らえられ、角が切られていきます。 (写真は、鹿苑角きり場 2008.10.13) |
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鹿の角きりの歴史
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古都奈良の秋を彩る鹿の角きりは、角鹿が町民に危害を与えたり、互いに突き合って死傷したりすることが多かったため、寛文11年 (1671年) に、当時鹿の管理者であった興福寺が、奈良奉行の立合いのもとではじめたと伝えられています。 当時は、町民が家の格子(鹿格子または奈良格子とよばれる)ごしなどから鑑賞できるほど、町の所々で行われていましたが、昭和3年に、今の角きり場を設け、年中行事として開催されるようになりました。 明治・昭和の戦乱期に一時中断されることもありましたが、現在まで継承されている伝統行事です。 雄鹿にとって大切なシンボルである角を切ることはとても残念なことですが、奈良の人々と鹿の共生の中で生まれた、古都奈良ならではの伝統行事です。 |